『Tune!〜ラジオな二人〜』
劇団東京都鈴木区
『Tune! 〜ラジオな二人〜』
無事に終演いたしました!
たくさんの笑い声に包まれ、全ステージを無事に終えられました。
ぼくらの7年間を凝縮した密度の濃い空間を作ることができ、満足です。
たった二日間の公演でしたが、すさまじきエネルギーと反響を頂け、モーレツ嬉しい!
ずーっと温めていたんだ、ずーっと温めていたんだ、この時が来るまで。
7年。いや出会って12年。
夢が叶いすぎて死亡フラグかこれ?とすら思っていたので、身のまわりの人間には、
「ぼくが死んでも絶対に上演はしてくれ!」
と伝えてさえいました。 …生きててよかった!
本当に、多くのご来場ありがとうございました。
こういう規模の公演だったこともあり、関係者様の顔ぶれも豪勢でした。
お世話になった方々に作品で恩返しできることは表現者としての幸せでもあります。
ご覧よ、この広々空間!
鈴木区としての初のホール公演。
「ハコのサイズなんて関係ないぜ! いつもどおり遊ぼう!」
なんてテンションで挑みましたが、天井吹っ飛ぶんじゃないかってぐらいの笑い声をいただいた時、
「これが大劇場の力…」と震えました。
普段は「暑い!狭い!近い!」がウリの鈴木区ですが、たまにはいいもんだなぁ。
今回はチケット料金もいつもの倍!
「怒られちゃイカン!」とあって舞台美術も本気。
遊びゴコロたっぷりの劇空間で存分に会話劇ができました。
さらに今回、映像も駆使しちゃってみたり!
これまでじっとやらずにいたこと全てを、ここぞとばかりにまとめて実行。
本来の台本は静かに物語が終わっていく物語なんだけど、劇場のテンションに合わせ、思い切ってカタルシスのあるエンドロール演出に切り替えました。
結果、ラストシーンの場内の一体感が凄かった!
二階のブースにいた音響スタッフさん曰く、
「毎回カーテンコールの拍手はすごかった。拍手したくてうずうずしてるのが明転した瞬間にドカンとくる」
とのこと。こういうのもホールならではかな。
そして作品。
キャッチコピーが「新感覚リーディングコメディ」ということで、主要人物のモノローグにリーディングを使用する演出にチャレンジしてみました。
演出イメージは、ミュージカルの歌パートへの導入でした。
人物の気持ちが昂ったところで一気に世界が凝縮されていくような感じ。
ぼくは劇場リハの時点でヤベェ!て思って震えました。
皆さんは、いかがでしたか?
さあてこの流れで!
恒例の、キャスト紹介のお時間だ!
田名濱明彩…佐藤聡美
コミュニティFM局へふらりと訪れた、『Tune!』の主人公。
聡美ちゃんの明るさが、そのままこの作品の明るさに繋がるんだろうなーとイメージして、この名前にしました。
今回が初舞台とのことなんだけど、ぶっちゃけ、物凄いポテンシャルで、本番に入ってからのギアの上がり方がぼくの知ってる女優史上、最高。
ぼくのホンは基本が「当て書き」なんだけど、まさに理想のアカサが舞台上にいて驚きました。
リーディングパートでは年齢別のアカサを演じ分けていて、それも驚き!
「けいおん!」で初めて声を聴いたときの印象と全く変わらぬ才能の塊。
よーく考えたら、鈴木区作品ではヤベーラ様、シルバーちゃん、そしてアカサと、まるっきり異なるキャラを演じているのね…。
次はどんなのを演ってもらおうか…クックック。
劇場入りした際には、キャスト・スタッフ全員に差し入れをくれるなどの気遣いも。完璧か!
小田切アヤ…宮岡あづさ
『TOKYO RADIO CLUB!』以来6年ぶりの登場キャラ。
ぼくはこのキャラ演じてる時の宮岡が好きなのよね。
いつも思うけど、今回のように客演さんをお迎えする公演になると、メンバーのバランスの良さに助けられる。
宮岡がいることでお迎えするぼくらのクオリティをキープ出来ているというか。ウム!
ていうか、この衣裳、当時のまんまというのが驚き。物持ち…いいね。
あ、今回ももちろん楽屋で突然半裸になってました。客演さんの前でそれだけはやめたげて!
名栗ブンタ…山口清裕
このキャラも『TOKYO RADIO CLUB!』。
今回は全体の色味が爽やかになって登場です(過去のはコレ参照ね)。
今公演はキヨくんが間に立ってくれて実現したものでもあるんだけど、その関係性を、そのまんま作品にも投影しました。
彼が登場すると劇場がホンワカするというか「笑っていい」空気になるっていうのが、彼の才能だよなぁ〜。
ジャッカル垂木…鈴木智晴
ご存じ、ぼくです。
3年ぶりのジャッカル垂木さんです(詳しくはココ)。
今回は茶髪にツーブロック、シャレオツな靴、過ごしやすいスウェットでの登場です。
堂之内チヤ…戸田早奈美
今作は「客演である聡美ちゃんが鈴木区という異空間に放り込まれて巻き込まれる様」を描きたくって過去作品のキャラクターを登場させてるんだけど、戸田の役に関しては、ギリギリまで『いるわけないしっ!』の爽月だったの。
それが、執筆前に『BLT』公演があって、そこでの大人気っぷりから、まんまの続投に。
爽月だったら土下座もなければ、痙攣もなかったわけで…よかったね!
にしてもチヤちゃんの勤める「塀矛プロダクション」はなんであんなワケアリボーイばかりなのか…。
寺島くんのブログでの「最強のマスコット」という文言は、まさに言い得て妙。
菊園アスカ…桐山菜穂
「アパな感じ」をイメージにコーデされた衣裳。
社名のキックアスはもちろん役名から。
ここ最近の桐山も、地球連邦軍やらシナリオライターやら、イロモノづいてますな。
気がつけば抜群の安定感を醸す女優になっていて、今回ほんとにビックリしましたよ。本人には言ってないけど!
細木獅子置…宝田直人
今回も脱がされる宝田。
台本上は一言も「脱ぐ」なんて書いてないんだけどね。ノリで、そうしてみました。
「ちょうど笑える半裸」という新ジャンルを確立しつつあるね。
結果、場内大爆笑&拍手喝采!並のコメディシーンじゃあんなに来ないよ!これも才能か!
尚、そんな彼と登場したのが、演出助手の本田一誓と重田実咲。
稽古では寺島くんと聡美ちゃんの代役なんかもこなしてくれました。なんとか舞台に立たせてあげたかったんだ!
ピザ屋/シャイアンさん…山口征秀
ピザ屋は『いるわけないしっ!(カラスカ版)』、シャイアンさんは『TOKYO RADIO CLUB!』から。
リーディングでのアカサ父とシャイアンがそのまま伏線となって、うっかり物語の主軸に。
娘であるアカサ役の聡美ちゃんとは『ヒーローアゴーゴー!』の時に同じ役を演じていたこともあり、なんか親子、っていうのが構想当初からあったのがキッカケ。
シャイアンさんがDJをやめる描写も描いたので、これは彼のスピンオフ作品でもある…のかな。
てかぼくの作品「!」が付くやつ多いな!
DJソースケ…寺島拓篤
鈴木区7年目にして、真打ち登場感。あくまでぼくの人生的にね。
役者として舞台に立つ寺島くんを観るのは初めてだったわけだけど、正直な感想、本番直前にあそこまでニュートラルなメンタルでいられる役者は、初めて見たかな。
ホントに「スッ」て感じに舞台袖に現れて「スッ」て感じに舞台上にいる。ぼくの中にないタイプの役者。
天才ってこういう人のことを言うのだろうね。
バカな、彼に勝ちたくて舞台に立っていたのに、こんなところで底の差を見せつけられてしまうとは…。
公演日にはキャスト・スタッフ用に大量のお弁当(激ウマ)の差し入れまでしてくれて、もう座長感が凄い。これ以上ぼくの居場所を取らないで!
ソースケは『TOKYO RADIO CLUB!』に名前だけ出てくるんだけど、その頃から寺島くんのイメージで描いていたこともあって、そんな彼が舞台に立っているだけでぼくは鳥肌モノ!
(TOKYO RADIO CLUB!の動画はコチラね!)
本番前の楽屋でムッチャはしゃいでる寺島くんを見て、この公演、頑張って実現させて良かったと思ったよ!
キャスト一同とても仲が良く、開演前にはメインテーマに合わせてみんなで狂気の舞!
ちゅーん♪ ちゅーん♪
ここにきて、ぼくの人生における最高作を更新できたことを誇りに思います。
夢は見るものでも与えるものでもない、なきゃ困るものだ。
作品の評判も良く、声優界の宝を二人もお預かりした公演として、なんとかやりきれた、という充実感に包まれています。
皆さまからの感想ツイートなどもまとめましたので、ぜひ。
http://togetter.com/li/961502
千秋楽後には打ち上げ前にみんなで楽屋乾杯!
舞台上には信頼できる仲間たち、ロビーにはこれまでの戦友たち、技術スタッフには旗揚げからの7年間を支えてくれたプロフェッショナルたち。
これまで関わってくれた人みんなが次々とぼくらを助けてくれている。なにこの少年マンガ! ありがとう!
最後にソースケに喋らせた言葉は、劇作家としてのぼくの、心の底からの本音。
これくらいのワガママ、いいよね…!?
販売台本にはない言葉なので、ぜひ劇場での彼の声を思い出してみてください。
寺島くん。一緒にやれて嬉しかったよ。
企画立ち上げから丸一年。
一瞬で散ってしまった、まさに桜の花のような作品だけど、やって良かった。本当に。
この公演に集まった多くの奇跡に感謝です!
これにてぼくらの『Tune!』はおしまい。
「ちゃんちゃん!」は、「いつか」のためにとっておくね。
また会う日まで!
チャンネルはそのまま、ステイチューン!