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プロフィール

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鈴木智晴(すずきともはる)

劇作家/ナレーター
劇団東京都鈴木区 主宰
1979年1月11日生まれ
所属事務所 ALBA
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『乱歩奇譚』、完結しました。

夢か現か──

舞台『乱歩奇譚 Game of Laplace〜怪人二十面相〜』

無事に完結いたしました。
 

脚本演出という形で三年間、真正面から向き合わせてもらえる機会を与えてもらえたこと嬉しく思います。

僕の中での演劇を広げてくれた作品に感謝。

もちうる全てのものを注いだつもりです。大千秋楽、泣きました。

三年間、ありがとうございました。


 

さて、作品の話も少しふり返りましょうねぇ。

!ちょう長いのでご注意を!

 

-物語-

]辰魯灰丱筌珪年を主軸とした人間椅子殺人事件、そしてオラクルの騒動の物語でした。

ラスト、少年探偵団を結成し、コバヤシ君は好奇心を手に入れるのです。

∀辰離董璽泙蓮峽残錙廖△修靴董峺と影」。

ハシバとカガミ警視の二人を軸に、クロスフェードする兄弟愛を描きました。

 

で、O叩丙作)なわけですが、ここでいよいよ我らが天才高校生探偵アケチが主人公となるわけです。

完結編であることは予め決まっていたので、アニメどおりの着地点にするのか舞台版としての解釈で完結させるのか!?

舞台チーム・原作チームで集まり昨秋から何度も打ち合わせを重ね「怪人二十面相編」は動き出しました。

アニメではクールだったアケチ君をいかに人間的に描けるかが今作のテーマであったので、アケチの親友・ナミコシをどのような形で表現するかが今作の最重要ポイントでしたねぇ。

舞台版オリジナルの仕掛け、気づいた方も多かったようで…個人的にはうまくまとめきれたのではないかと満足しています。

初となる品川プリンスホテル クラブeXという円形劇場も新たな刺激でした。

(本当はサンモールでやれたら世界観的にも安定していたかもなんですが、どーっしても空いていなかったそうです)

 

-演出として-

演出家としては10年間、小劇場でしかやってこなかった人間なので潤沢な予算での公演など縁遠く、中でも僕は

「予算をケチっていかに真っ平らな空間でいかに効率よく見せるか」に特化したタイプ(笑)。

真っ平らの空間では、立ち位置と間・テンポで見せていくしか技法がないのです。

そういった意味で円形の舞台というのは、逆にやりやすい空間だったのかもな…というふうに自分では分析しています。

 

-キャストのみんな-

キャスト陣も、シリーズ通して参加してくださった方も多く、かつ経験も豊富な皆で心強くあらゆる場面で助けられました。

三年前から全員の意識・キャリア・立場も変化し、上演ごとに乱歩奇譚という作品の歩みを強めてくれた印象です。

稽古場の空気感もこれまでで一番、作劇に集中しているような「絶対に成功させる!」空気感に満ちていたように感じました。

特に座長の北園涼君なんかは,虜△箸亙命佑里茲Δ偏覆泙い…ビックリしたなぁ…。

 

-脚本とか-

脚本に関しては…もう…「大変だった」の一言(笑)。

前述のとおり、原作とはすこしだけ流れ(というかキャラクターの在り方)を変えることは決まっていたので、それを踏襲しつつ、いかに原作のもつ高揚感を表現するかに全てがかかってました。

うっかり前作「パノラマ島の怪人」のインパクトが強かったために、まずはそれを超える乱歩感を生み出せるかの部分でプロットと格闘した覚えが。

正式な脚本執筆は5月でした(プロットはもっと前にあった)。

個人的なアレですが5月といえば『やがて君になる』本番と『ミュージカル時給探偵』の稽古期間であったため、肉体的にも精神的にもバランス調整が難しかった中、一人、部屋で叫びあげながらの執筆作業でしたな。

…ここ数年で…いやこれまでで一番シンドかったぜぇ…。

時給探偵を観てくれた方には「あの作品の稽古しながら乱歩奇譚書いてた」って言うと、その振り幅のクレイジーさに気づいてもらえるかと思います(笑)。

 

-もちっとkwsk-

今作はアケチのヒーロー化を明確にする反面、コバヤシをダークサイドに堕とす要素をより明確にしました。

その際、コバヤシに関しては原作と同じセリフであっても真意が異なるというパラドックスが発生し、原作から演じている高橋李依ちゃんはそのあたりのバランスに最後まで苦しんでましたが、最終的にはしっかりコバヤシしてくれていたと思います。凄まじいまでの努力家っぷりでした。

同様に、前作で二十面相化したカガミとナカムラの関係性はこだわりました。

三年間演じてきてくれた富田翔さん、福地教光さんが最大限に生きるよう考え抜いた結果の、あの選択。いかがでしたか?

カガミのラストに関しては、改心することが彼にとって本当の幸せではないだろうということから。やはり彼の葛藤のピークは妹の死なので、ここから生まれる新たな物語よりも彼がどんな選択をするのか?を強く描きたかったんです。

ナカムラは、どう在ることが彼の真に望んだ人生だったのか…なんてことを想像しました。今作に限りアニメ版よりも小説版の設定を色濃く反映させています。ちょっとダーティな空気感も含めてね。

そして…三作目にして初めて姿を現した、アケチの親友・ナミコシ。乱歩奇譚の世界において重要な人物でもあるので、これまでの二作で軽々しく登場させなくてよかったと、今作のオープニングを作りながら改めて実感したものです。演じてくれた山晶吾くんも、相当なプレッシャーだったとは思うけど、真摯に作品と向き合ってくれて有り難かったです。

(千秋楽前の休憩中にすら、少しでもナミコシのことを理解できたらと「ラプラスの悪魔」に関する書物を読んでいたほど。脱帽!)

そしてアケチ。見事に、人間的な成長を果たしましたね。2.5次元だろうが小劇場だろうが、演劇は演劇です。生身の人間が葛藤し吠え涙する…この姿で物語の幕を下ろしたかった。

彼が最期、ナミコシへ向かって語りかけた「プシュケー」のエピソード。お気づきの方もいたかとは思いますが、あれは,遼粗、アケチ初登場時のセリフです。その時点で彼の親友への気持ちは決まっていたんです。

(コバヤシのカエル解剖エピソードも同様に)

 

──ホントはもっと全部語り尽くしたいのですが、文字だと短編一本分くらいのテキストになってしまうのと(笑)、近々、生で語れる場が設けられそうなので、その機会にさせてください。

 

あ、最後に、オリジナルキャラのハナサキですが…

ああ…もっと描きたかった…!!

彼は劇中に一瞬だけインナーを見せますが、あれじつは、アケチくんの服と同じもの。彼はアケチ同様、新宿歌舞伎町高校の生徒で(ブロマイドにはあったと聞きましたが)本来の姿はアケチと同じ制服姿なのです。尺が…尺が足りんかった…。

 

ざっとこんな感じですかね。

ミナミ検視官も、僕はあの未来こそが舞台版の正解かなと思えています。

あ、千秋楽のカーテンコールの演出は、なんとか二人に暗黒星の生んだ別の未来を見てほしくって急きょ追加しました。

ラプラスメモを置いて帰る演出は北園くんのアイデアです。

千秋楽ステージはバルコニーから観劇していたのだけど、お恥ずかしながら泣いたッ!!


 

-問答のやつ-

さてさて、いったんここで、SNSで応募しました質問コーナーへの一部お答えです!

 

・三部作構想はいつからあったのですかー?

毎回「これっきり!」で作っていたので、「三部作やるぞ!」って感じではなかったです。∀辰決定したのも]辰寮藹楽カーテンコール直前でしたし。すべては皆様の応援あっての続編だったのです感謝!

 

・舞台オリジナルキャラたちが如何にして生まれたのかが気になりまーす!

ナミコシの在り方をアニメと改変したので、どうしても二十面相をコントロールする集団が必要!という流れでした。Tik Tok風の勧誘方法についてははじめはもっと地味でベタな案でしたが、アニメ原作サイドのアイデアもあり今の形に決まりました。

 

・質問なのですが、千秋楽でトキコ(芋虫の姿)が二階から吊るされていたのを見てしまったのですが、初日から吊るされていましたかー?

初日もいたんですが、初日はバルコニーの中にいて、ちょっと見えづらかったんですよ…。2公演めで手すりギリギリまで攻めてみたもののやはり分かりづらく、3公演めに「もう外に出しちゃえ!」という形で落ち着きました(笑)。

 

・カガミが隠していた二十面相の資料とはなんだったのでしょうかー?

まあ裏設定ではありますが、「赤いカブトムシ」の調査内容と、幹部がアケチ・ナミコシを知る人間だった、という内容です。劇中、黒蜥蜴がハシバに伝えた内容よりちょっと込み入った感じのやつです。これは稽古中キャストからも聞かれました(笑)。

 

・今作はとにかく劇場を丸っと使った演出とストーリーとの融合が素晴らしかったです。やりたいことが先だったのか、この劇場ありきの演出だったのか、気になりまーす。

完全に劇場ありきでした(笑)。はじめは「え、円形…だと!?」て思いました。

 

・新宿プリズン、あの黒蜥蜴もいなくなったのでしょうかー?

あの人は敢えてあそこに残ってそうだな〜と想像してます(笑)。

 

・乱歩奇譚としては初めての円形劇場でしたが脚本、演出にあたり意識された事は何かありますかー?

なるべく観客が、右左に首を振って色んな出来事を間近で体感してもらえるように〜って考えてました!

 

・今作で「影男」のエピソード、ワタヌキの事件を組み込んだことに驚きましたー!

やはり乱歩奇譚には必要なエピソードだと思ったので…! ただアニメと違ってアケチ目線で描いてるので、濃密に描けなかったのが悔やまれますが。

 

・今回の怪人二十面相では影男をはじめカガミさんとナカムラさんなど日替わりネタやメタネタが激しかったように思うのですが、「タカゲです」のくだりなどどのあたりまで脚本だったのでしょうかー?

ご想像にお任せします!(笑)

 

・作中の台詞にあった『量子力学』と『反存在論』は暗黒星や登場人物等にどんな影響があるのかー?

今回、ナミコシ少年の解釈をアニメと変えているので、そこに紐付けて描きました。「信じることは、見ることだ」

 

てな感じですかね!

あとは…また後日。公の場で肉声で語らせてください!

 

 

-さいごに-

──ついぞ終わりました『乱歩奇譚』。

僕にとって初めての商業演劇で、挑戦の連続でした。自分の知識やポテンシャルの低さに項垂れることもありましたが、現状出せる僕の全てを注ぎ込むことができたと自負しております。

僕は普段はコメディを作っていて、これは知人に言われたのですが、

「乱歩奇譚は、鈴木なりの藤子F短編集のようなものだね」

それ! と膝を打ちました。決して僕一人の作品ではないし、僕一人が生み出せるものでもありません。原作があり、キャスト・スタッフがいて、ステージがあり、初めて成り立つものです。僕はそこに乗っかる献立を作成したに過ぎません。

ですがやっぱり…やっぱり…腹を痛めて生み出した大事な子どもという認識はあります。他の家の子でも我が子、そんな思い。

 

それから、これは僕の素直な気持ちなのですが、今作を機に、商業演劇の演出はしばらく休もうと考えています。

別に嫌になったとか「引退するぜー」とかそういうのではなく(笑)、5月の『やがて君になる』も経てこの10年積み重ねてきたものを全て出し切った実感があり、これ以上のステージに挑むには、僕には知識とポテンシャルが足りなさ過ぎると感じたから。

もっと勉強したい! もっと努力したい!

もっともっと原作を活かせる、劇空間を活かせる演出術が、今の僕には欲しい!

終演の満足感も噛み締めつつ、今はちょっとだけ悔しい部分もあるのです。

そう思わせてもらえる機会を40歳になっても与えられたことは幸福なんだろうと、きっとそのうち思える日がくるでしょう!!

それまではホームの基盤を大切に、また一から作劇の研鑽を続けていくつもりです。

 

──とか言いながらしれっと復帰カマしてたらそれはそれでお察しください(笑)。

 

 

僕の人生において、

2016年に『Tune!〜ラジオな二人〜』という公演で大チャレンジをして、それが2017年に『乱歩奇譚』実現へ繋がった。

チャレンジが夢に直結していく宝物のような瞬間を味わえました。

こうして作品は完結を迎えましたが、また次の夢へ向けてチャレンジをしていこうと思います。

その際は心のどこかで見守ってくださると嬉しいです。

 

この世のどこかに暗黒星が輝いているとするのなら、きっとまた、ワクワクと好奇心に胸躍らせられる瞬間が僕らに訪れるでしょう。

公演へのご来場・ご声援、誠にありがとうございました。 ぺこり。

 

 

──ところで。

アニメ二期マダーーーーー?(いちファンの戯言)

| 13:47 | 鈴木ちゃんのほふく前進!EX |

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