ここ数年、言いたくても言い出せなかった言葉。
「ハロウィンて何する日?」
言っちゃった!
日々日頃から「無知」で恥をかくぐらいなら「知ったかぶり」で得をしない人生を選ぶようにしているキザな俺としては、そんなダサいこと、とてもじゃないが人に聞き出せずにいたのだよ。
ハロウィンを知らないだなんて、薔薇って字の書けない貴族みたいなもんでしょ?ねぇ、そうなんでしょ?
だったら尚更だよキミ。(上から目線)
なので今年も聞き出せずじまい。
仕方が無いので、自分なりに色々考えてみることにした。
まずハロウィンつったらあれだよね。カボチャだよね。
あれは見た目どおり「被るのが正解」なんだろうな。
問題は、被って何をするか、だ。
口がギザギザしてるところから恐らく人を襲ったり威嚇したりするんだろうなとは容易に想像がつく。
…食うのか?人を?
そのためのギザギザか?
だとしたらきっと子供達は逃げ回るのだろう。
となると、一旦「ナマハゲ」のようなイベントが思い浮かぶ。
海外版のナマハゲか?西海岸あたりで「悪りぃごはいねがー(を英語で)」つって子供達を追い掛けますのか?
だとしたらカボチャのビジュアルは大正解だ。怖すぎる。しかも目と鼻と口が切り取られた形になっていて異常に怖い。
あとなんか言うよね?合言葉みたいなの。
これなら知ってるよ。
「Trick or Treat!」
…問題は、意味だ。
恥ずかしながら高校生活の大半を「先生の目を盗んで『バキ』を読む」ことに徹していた俺には当然のことながら英語力が無い。これではカボチャに食われてしまう!
というわけでこれも自分なりに解釈せねばなるまい。
まず、この一文で目につくのは「or」だ。
このくらいなら俺にだって分かる。「○○、または△△」って時に使う言葉だ。
つまり少しずつ分解すると、
「Trick、またはTreat!」
って意味になる。
で、次に目につくのは「Trick」。
馬鹿にしないで欲しい。誰にでも分かるよね。
「罠」だ。
……困ったのは最後の「Treat」。
残念ながらさっぱりだ。
語感から何となく「髪を保護する成分」的なのがイメージされるが、おそらく違うだろう。何より唐突すぎる。狂ったカボチャが子供を部屋の隅まで追い詰めて放った言葉が
「罠か髪を保護する成分!」
では明らかに恐怖を与えるに至らない。これじゃ単なる愉快犯だ。
そもそもカボチャには髪がない。
なのでさらに言葉を分解してみることにした。
「Trick or Treat!」
つまり「罠、または…」のあとに付く、一番しっくりきそうな言葉(または、ようす)をいくつかピックアップして当て嵌めていけばいいのだ。その中から、子供達が最も恐怖を抱く言葉(または、ようす)をチョイスすれば、多分それが正解だ。
まず「罠」からイメージしてみる。
やはり罠ときたらあれだ、『つるの恩返し』の冒頭でツルが引っ掛かっていたやつだ。
仮にあれをこのシチュエーションでいう「罠」として、続く言葉が「〜または」なんだから、ツル的視点から見た「罠」の反対の意味の言葉を探せば良い。
ちょっとだけツルの気持ちになって考えてみよう。
ガシャーン!!
足に強烈な違和感。がっつり食い込む鉄の塊、なんだこれは。
痛い。痛すぎる。痛すぎて死ぬ。
「コケー!コケー!(鳴き声こんな感じ?)足が痛いコケー!なんだこれ!?
罠?または、
………気のせい?」
「気のせい」。
どうだろうか。
罠と認識する一方で生じる、恐怖を抑制させるために働く本能。
死を予感したツルが咄嗟に「イヤだ死にたくない、これは夢だ」と思ったとしても感情の流れに何ら違和感は無い。
とどのつま
とか暇つぶしで書いてるうちに家に着いちゃったので今日はこの辺で。
とりあえずハロウィンは、カボチャのお化け(中身は市役所の人とか)が、包丁片手に子供を追い掛け回し、怯え切った表情をしたようすを見ながら一言、
「今この状況は誰かからの罠か、もしくは、気のせいだ!」
と言い放つイベントってことでまとめちゃっていいすかね。
要は「視野はもっと広く。一つの出来事も色んな見方ができるよ」ということを分からせてあげる行事というかね。
………あ、じゃあお菓子は何に使うんだろ?
もういいや!
ぺこり。