昨日の話。
お世話になっている事務所「ALBA」の先輩さんの芝居を観に、下北沢まで行ってきましたよー。
観てきてどーん!
観劇した作品は、
劇団離風霊船『運命なんてぶっとばせ!』。
緻密さとヤンチャさが絶妙に混ざり合った、楽しいミステリーコメディでした!
事務所の先輩・竹下知雄さんもメインでバリバリ。
いつもは我々に「ナレーションとはこんな感じぞや」というのを教えてくれている鬼コーチなのだけど、
動いてるとこ初めて見た(笑)。
離風霊船さんは今回が所見でしたが、
出演者間でのキャリアの差がけっこうあるように見受けられて、まさに劇団!って印象。
鈴木区は良くも悪くも同年代の仲間の集まった演劇ユニットなので、そういう部分はとっても羨ましいなー、と感じました。
年代の違いってそのまま表現に出るしね。
それらを身体で感じられる組織として「劇団」というのはとてもいい形態だと思う。
(かといって新規メンバーは特に募集していない鈴木区。)
で、写真の感じで、終演後いつものよーに飲んでたんだけど、
そこに合流してくださった先輩竹下さん。
駆けつけての第一声が、
「鈴木さんたちの笑い声が聞こえてきてビックリしましたよー」
聞けば、やはり関係者・同業者が多いと、腕組みしたまま作品を見られ、笑い声が出ないことが多いとのこと。
分かります分かります、その感じー。
その点「キミらよう笑うなぁ!」ってことなんだろうけど(笑)、そこからしばらくその議題で盛り上がったこともあり、
今夜はちょっくらそのことについてでも…。
まず僕(ら)はコメディを観た時、けっこう声出して笑います。
よく公演の感想で「笑っていいのか分からないので堪えてました!」というご意見を頂くんだけど、
気にしなくていいんだよ、そんなこと!
笑うことは本能だから! 笑えるモンは笑えるんだから!
で、芝居って基本、隙だらけなんですよ。
座席は痛い・空調は思うように効かない・役者はミスる
色んなことが劇場では起こり、
これらは「上演台本」や「稽古場」にはない出来事なんですよね。
それらを「なんだこれは!」と否定することって簡単。
でも僕は忘れちゃいけないと思ってることがあって、そもそも役者の…いや、芝居の原点っていうのは、
イエス、アンド
だと思うんですよね。
これはエチュードと呼ばれる即興演技の基本でもあるんだけど、つまり、
「目の前で起きたことを否定せず、受け入れる」こと。
嫌いな作風もある…嫌いな芸風もある…
否定しちゃったら何も生まれないからこそ、僕ら役者はそれらを認め讃えなくてはいけない。
でもさ、
腕組みして観ちゃったら、そこに壁ができちゃうじゃん?
(これも演技の基本。腕組みは心的防御のポーズ)
そんな見方しても生産的ではないし、何より、役者としてダセェ。
だから僕はなるべく全てを受け入れて観劇しようと心がけているし、
もし(技術的に)ダメなものにあたってしまった時も「自分ならこれをどう良くするか?」を考えながら観てる。
そのほうが自分のためだよね。何より楽しいし。
…正直な話、ダメなの観たときは自分の作品の稽古後か!ってぐらい脳ミソが疲れる(笑)。
て書くとまるで観た芝居がダメだったみたいだけど、そうじゃないよ!?(笑)
ふとね、そういうことを言ってもらえたので、考えてみただけ。
そして同じ感性で生きてるこのメンバーに改めて誇りを覚えてみたり…。
人生もいっしょ。
どんな状況でも全力で楽しめる大きな感性でいたいよね。 なんつって。