〜中編からの続き
やっとこさ舞台も立ち、劇場での入念な稽古も終え、
ヨッシャいよいよ本番やでぇ!!
(メガネのない千菜というのも新鮮ですな。)
7月11日金曜日おひる14:30
最終リハーサル、通称「ゲネプロ」。
オープニングからラストまでを、本番と全くおんなじコンディションでリハーサルするのがこれ。
で今回、初の大阪公演で色々現場が大変だろうと思い、鈴木は助っ人を呼んでおりました。
演出助手・重田実咲。
普段は演助なんて使わないんだけど今回はね。
稽古初日からずっと稽古に帯同してもらい、作品への見識を共通させ大阪入り。
いよいよ大阪公演では、全シーンでの芝居のチェックを任せました。これが上手くいった!
各役者にダメ出しして回る重田。
力強い右腕(ぷにぷにの)として尽力してくれましたぞ。
じつは初演再演と“柊くん”を演じていたんだが、そんな彼女に、この現場はどう映ったかな…?
(5.12に行われた公開稽古でわたしを殺めてしまう、なんて茶b …イベントもやりましたなぁ〜)
そして運命の本番……(ゴクリ)
受付開始直前、みんなで「レッツゴーイン!」恒例行事です。
開演前の会場には僕と寺島拓篤くんによる音声対談が流れ、
ゴーインジャーによるミニドラマ(場内諸注意)が流れ、
主題歌「レッツゴーイン! ゴーインジャー」が流れ………………、
7月11日金曜日19:30 ──開演
どんな感じの公演であったかは
鈴木区記録係・間島淳司氏のブログ(コチラ と コチラ)を参照で。
嬉しかったなぁ…楽屋まで聞こえてくる場内の笑い声。
たくさんの拍手。
そして初日から頂いたダブルカーテンコール(わーわー!)。
始まってしまえばあっという間の公演でした。
東京からも多くの仲間が駆けつけてくれ、
ロビーでは出会うお客様から口々に「大阪まで来てくれてありがとう」という言葉。
やってよかったなー、としみじみ。
こちらこそ、ありがとうございましたですよ!
一ヶ月前の段階では宿すら決まっておらず、
移動手段も未定のままで、これホントに大阪行けるのか!? なんて思ったりして。
さあ本番だ! ってところでやってきた台風。
結果「大阪だけ逸れる」という、僕の晴れ男伝説の踏み台にしかならなかったわけだけど、予定を左右されてしまったお客様も多かったとのこと。台風ムカつく!
いろーんなことがありましたが、
結果、フタを開ければ529名という大勢のお客様に、
この『ヒーローアゴーゴー!』の世界を楽しんで頂けたことになりました。
改めまして、
応援してくださった方、気にかけてくださった方、
いいねもRTもひとつひとつが本当に嬉しかったです。ありがとうございました!!
作品のこともちょこっとだけ。
今回「けっこうホンが変わってた!」とのご意見を多く目にしましたが、そうです、変えました。
特に意識したのは、千菜と星人の物語上の軸を太くして、その二人に影響を与える人物をより濃く設計したこと。
デパート屋上編の良さは、ある意味“雑把なとこ”ではあったと思うんだけど、
登場人物の心の変化のキッカケを(演出的にも)キチンと整えたカタチになる…の、かな?(なってたらいいな。)
あと大きなとこでは、主人公の妊婦設定やめた。 ことかな?
二年前の初演時、これから執筆だというところで主演の長治佳子
(当時は千菜ではなく千儚−ちわ−という名前だった)が妊娠し、そのこと自体はとてもおめでたいことなんだけど、それは作品にも大きく影響を与えてしまう出来事でした。
それでもなんとか彼女を板に上げてやりたいと主人公の設定を妊婦にしストーリーにはこじつけましたが、本番二週間前、長治のコンディションを鑑みて彼女を降板。
ギリギリの判断でしたが、急きょ川添美和さんにお願いし、公演初日まで辿り着きました。
翌年の再演では「なるべく“まんま”でやろう!」と設定変更はせずそのまま上演。
その設定を受けての続編【
遊園地編】も同時に上演し、妊婦設定はそのままスムーズにヒロアゴの世界に溶け込んだ………
んだけど、
どうしても僕は、最初にやりたかったヒーローアゴーゴーを書き上げたかった。
ので、台本をガッツリ改稿しました。
大阪という場所で、これが最後のヒロアゴなんなら、今しかないだろ! と。
予想はしていたけど「前の設定が好きだった」というご意見も壮行会のときに頂きましたが
(そこは、ごめんなさい!)、ヒロアゴはもともと、命をテーマにしたお話ではなくて、だめ〜な大人たちが誰か一人のヒーローになる、そんなお話なんです。
今回のヒロアゴ、僕はとても満足しています。
役者とも過去最多ってぐらい芝居に関してディベートを繰り返し、よくないところは全部検証し、ある程度の自信のもと東京で稽古を公開し、そこで頂いたご意見を参照しさらにブラッシュアップし……
この上ないベストを尽くした作品でした。
ここから先は、単純に僕らの技術力の問題だったり、好みの問題だったり、するんじゃないかなーって思ってます。もっともっと精進しなきゃだ!
あ、そうだ。
ラストシーンも、東京での公開通し稽古から、さらに変更を入れましたよー。
千菜がゴウさんの薬袋に気づいてしまうシーン。
どんなふうに映りましたか?
そのたったワンシーンだけで、これまで見ていえた風景がガラリと変わる。こんなこともあるんですね。
キャストについてもちょこっと。
霧沢千菜 − 川添美和
見てみぃ、このハツラツとした表情!
頂いたご意見の中でもぶっちぎりで「面白かっこよかった!」と大人気の主人公。
でも、稽古場ではいちばん苦悩して芝居を作っていたんではないかなぁ〜?
劇場で彼女が愛されていくたび、僕は舞台袖でウルウルしてましたよ…川添美和とは凄い女優だなぁと。
星人ちゃん − 戸田早奈美
じつは千菜の設定変更にともない、星人ちゃんのキャラクターも少し変化してました。気づいた方いるかな?
台本改稿によって中盤は星人ちゃんの心の流れがストーリーになっているので戸田の芝居への負担も大きかったのだけど、僕の中では、過去三度の星人ちゃんの中で一番の表現だったと感じてます。なにより可愛い!
ちなみにオープニングの、宇宙の中に佇む演出
(写真上)は舞台監督・海老原翠さんのアイデア! すごいよね!
小手川あゆみ − 桐山菜穂
こてっちゃんも今回どえらいことになってましたなぁ。
表情豊かで面白い…まさか桐山がこんな表現をするようになるとは!
今回「女性陣が濃い!」との感想が多く、これは過去のヒロアゴではあまりなかったご意見でもあったので、純粋に嬉しく受け止めました。演じるチャンネル一つでここまでキャラクターが活きるなんてね。僕も勉強になりました!
……さすがに全員をここで紹介するわけにはいかないので、この三人でとどめておきますが、
(ごめんね! 詳しくはパンフレットとか過去公演の記事を読んでね!)
今回は座組全員が作品により深く向き合い、試し合った公演でありました!
いっこのシーンの出来が悪いとき、その原因を板にいる人全員が共有できる、理想の座組。
今の僕らならどんな作品も作れるんじゃないかって、本気でそう思えるほどでした。
出演者のみんな、本当にありがとう。
7月13日日曜日18:30
「ヒーローアゴーゴー!」──終演
人生って楽しいですね。
他力本願で生きるかぎり楽しさは得られない。
自分で何かを生み出した時、はじめて、楽しくなれるんだなーって。
鈴木区を始めて良かった。そんなふうに。
これにて2012年から続く『ヒーローアゴーゴー!』全31ステージは終演しました。
地球にピンチがおとずれたとき、ゴーインジャーはきっと帰ってきてくれます。
その日まで元気に生きようね!!
鈴木区結成5周年のお祭り騒ぎにお付き合い頂いた全ての皆様へ、感謝の気持ちでいっぱいです!
本当に、ありがとうございました!!!!!
ぺこり。
Facebookで舞台写真も公開しております。
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.715529088502140.1073741831.156933101028411&type=3
よろしければ旅の思い出に、覗いてってやってください。